海老沢歯科医

保険で多くの歯が白い歯にできるようになりました 〜CAD/CAM冠は歯科医院のフルデジタル化を推進する〜

元記事:2018年1月5日公開
(適用範囲が広がったため)記事修正:2021年2月23日

当院でも、保険で(一部の奥歯)多くの被せ物が白い歯にできるようになりました。はめ込み式の歯の場合は、相変わらず強度のある白いものは作れません。

CADCAM2

CAD/CAM冠(保険適用)

保険治療で奥歯は白くできませんでした。
正確に言うと、以前から小臼歯部のかぶせもの(クラウン)はプラスティックのものが認められていました。
すぐ壊れてしまうので、とても実用レベルとは言えず、仮歯みたいなものです。
当院ではほとんど使っていませんでした。

保険適用の歯は、保険外のものよりは、当然ながら審美的な質が落ちます。
セラミックの審美的に最も優れたものではなく、プラスティックのCAD/CAM冠です。
今でも保険外の材料が一番良いのは間違いないのです。

CADCAM

しかし、やっと実用レベルでなんとか使える白い材料が、保険で使えるようになったということです。
下の歯は、大臼歯も一部が保険適用になりました。

一番うしろの奥歯には使えません。
後から2番めの歯にも、一番うしろの歯が上下左右一本でも無いと使えません。
小臼歯部は使えます。前歯にも使えます。(2021年修正)
色は何種類か限定的で、隣の歯と全く同じ色にはならない可能性があります。

一部負担金も、保険の歯にしてはそこそこ高めです。
一本に付き、型取りの時に3000円ほど、歯を入れる時に5000円ほどかかります。
歯が入るまでに、初診であれば一部負担金だけで、合計1万円程度にはなると思います。
でも、保険外の歯に比べたら格安です。

このように、いくつか制約がありますし、最良の選択ではないですが、やっと多くの一部の奥歯が保険で白くできます。

CADCAM1

 

CAD/CAM冠は歯科医院のフルデジタル化を推進する

保険のCAD/CAM冠の製作手順は、従来と変わらず型取りするところから始まります。

型取り→模型製作→技工所に送付→模型から3Dスキャナーでスキャン→デジタルデータ化しPC上で設計→ソフトウェアから自動製作する機械で技工物を製作→歯科医院へ

型取りするのは、今回の保険適用が「間接法」と決められていて、お口の中でスキャナーを使い「直接」データにする方法はまだ使えないからです。
いったん模型を作らないといけないのです。

将来的には、すでにフルデジタル化されて模型を作らないアメリカのマウスピース矯正「インビザライン」の治療のように、口腔内スキャナーを使ってお口から直接データ化し、デジタルデータのままPCで設計して、技工物製作マシンで全自動製作という、精度が極めて高い手順に変わっていくのだと思います。

ひとまず、日本の歯科治療もフルデジタル化に向かう第一歩につながるものだと言えるでしょう。

 

ジルコニア

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