海老沢歯科・矯正歯科院長ブログ

妊娠中の歯科治療ガイドライン・安心して治療を受けましょう!!

妊娠すると、様々な事が気になりますね。歯科治療に関しても心配な方は多いでしょう。
今回は、妊娠中の歯科治療について解説したいと思います。

 

治療できる時期

妊娠中は歯科治療に最適な時期ではありませんが、必要な場合には、時期を選んで治療を行うことも可能です。

 

妊娠超初期(〜3週) 治療可能。治療や薬の服用の影響は無いと言われています。
妊娠初期(4週〜15週) 応急処置のみ。薬の服用は慎重にします。
妊娠中期(16週〜27週) 治療が可能。
妊娠後期(28週〜39週) 応急処置のみ行う。出産後6〜8週後に治療開始。

 

歯ブラシ指導、清掃などは、すべての時期において行えます。

 

X線

歯科で使われるX線により、胎児への影響があるという報告はありません。
照射量が少なく、撮影場所(口)が性腺や子宮から遠いからです。

さらに万全を期すために、防護エプロンを装着し、必要最小限の枚数しか撮影しませんので、ご心配はありません。

 

 

麻酔

歯科で使用されている麻酔について、通常量の使用では、母体・胎児ともに影響はないとされていますが、必要な場合に限り必要最小限で使用します。

 

 

歯科で使用される薬品も、胎児に対してほとんどが影響がないとされていますが、完全な安全性は確かめられていません。
薬を飲むかどうかは、有益性と危険性を比較して判断することになります。

妊娠初期はできるだけ慎重にあるべきで、一部にできるだけ避けたほうがよいとされる薬品もあります。
出産直前には避けるべき薬品もあります。

いずれにしても、胎盤の通過性などで判断し、必要な場合に限り、より適切な薬を選んで使用します。

 

 

抜歯

原則として行いません。
他の方法による応急処置で産後までしのぐのが一般的です。
ただし、炎症を繰り返して、対症療法の連続になるような場合は、妊娠中期に抜歯を考慮します。

 

 

出産後の母乳への影響

歯科で使用する麻酔薬や服用する薬は、妊娠中と同様に安全ですが、もし使用する場合には、より安全な薬品を選択します。
それでもご心配の場合は、搾乳しておくかミルクなどにし、治療後4〜5時間は授乳を避けて下さい。

 

妊娠中の歯の手入れ

妊娠中は、ホルモンの関係で、歯肉炎が起こりやすくなりますので、いつも以上に歯みがきを丁寧にする必要があります。
つわりなどで歯みがきが難しい場合は、歯ブラシの選び方、磨き方について歯科医院で指導を受けてください。

 

妊娠中に歯周病により高くなるリスク

歯周病に関与している細菌が、早産や低出生体重児にも悪影響を及ぼしているのではないかといわれています。
歯周病の治療を行っておくことで、リスクを1/5にすることが出来ます。

妊婦の歯周病によるリスク

 

子供へのむし歯菌の感染

1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月が、むし歯菌の母子感染がおこりやすい時期です。

感染を完全に防ぐことは困難ですが、ご両親の口の中の状態を良好に保つことと、感染時期をできるだけ遅らせることで、お子様はむし歯になりにくくなります。乳歯が完全に出てくる3歳位まで頑張ると良いですね。

お父さんお母さんそろって、口の中の状態を良好に保つことが大事です。
もし虫歯や歯周病がある場合は、遺伝的要因からも、お子様のリスクに気をつける必要があります。

虫歯や歯周病はうつるのか

 

まとめ

妊娠中も、ほとんどの場合は安全に歯科治療を行えます。
ただし、やはり治療に最適な時期とは言い難いので、妊娠する可能性がある方は、計画的に歯科治療を完了し、まめに定期健診を受けるようにして下さい。
妊娠中に治療を行うかどうかは、治療を行うメリットと、治療しないデメリットを比較検討して判断します。

妊娠がはっきりしないような初期に歯科治療を受けた場合や、薬を飲んだ場合も、安全ですので気にする必要はありません。
しかし、妊娠が確定したら、歯科医にその旨を確実に伝えてください。
歯科医は、時期や状態によって判断し、的確な対処を行うことができます。

 

 

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