こどもの治療

子どもの虫歯

保育園、幼稚園の検診で、たくさん虫歯のある子をみかけることはまれになりました。
虫歯が少なくなっている事は明らかです。

昔と何が違ってきたのでしょうか?
子どもの数が少なくなり、手をかけられるようになったから歯磨きが改善されたという意見が一部でありますが、少々疑わしいです。
共働きの家庭が増え、待機児童が増える一方です。そんな中、逆に子どもにかけられる時間は一般的に少なくなったのではないでしょうか。
ですから、歯磨きの方法や回数が極端に改善されたという可能性は少ないでしょう。

可能性が高いのは、キシリトールをはじめとした甘味料の改善と、日本では近年やっと歯磨きペーストに含まれるようになったフッ素の影響だと思います。
歯科医療関係者の永年の努力が実ってきたと言えます。

 

歯磨きは重要でしょうか?

歯科医師の立場で、歯磨きが重要ではないと言い切るのはちょっと勇気がいる事です。
しかし、昔に比べて環境が変わってきた現在は、それほど歯磨きが重要だとは考えていません。

子どものご相談で、歯磨きに関するものは未だに多いですが、
「歯磨きのしかたよりも、フッ素入りの歯磨きペーストを使用したり、フッ素を塗布する事の方が、より重要である」
とお話させていただいています。

子どもにあまり無理を言わず、出来るだけ簡単に歯の手入れをする方法を指導するよう心がけています。

同様に、正しい歯のメインテナンスとして、一般的な子どもには歯磨き指導はそれほど重要だと考えません。
何度もはみがき指導を繰り返すことはあまり意味が無いかもしれません。

もちろん一部のむし歯リスクの高い子どもには、唾液の性能等の他の要素から、歯磨きが重要な場合もあります。
そういう子には、その子に合った指導をする必要があります。
リスクをきちんと判別してあげることが重要です。

また、食後すぐの歯磨きは間違いです。歯磨きを行う場合は、食後最低30分は待ってから歯磨きするようにご指導ください。

 

歯並び

一方、歯並びに関しては、昔より深刻な問題が多くなっています。

あごの発達が未熟な子どもが大変多くなりました。
歯並びに関しては、比較的早い時期から介入して行く方が良いケースが多くなりました。

詳しくは子どもの歯並びをご覧になってください。

 

子どもの治療

現在では、むし歯は大変少ないのです。
治療のためや歯磨き指導に、歯科医院に何度も足を運ばないと行けないのは、何かおかしいと思った方が良いかもしれません。

現在では様子を見たほうが良い、治療の必要の無い虫歯をどんどん削って治療しているかもしれないし、食事の仕方や、お子様個別の問題をもっと考える必要があるのかもしれません。

お子様に必要なのは、食事の回数、タイミング、時間、何を食べるか等を考える事であり、フッ素の塗布法であり、歯並びを考える事です。

むし歯治療、歯磨き指導に何度も通っている場合は、何かおかしい。そうお考えいただいた方が良いかと思います。

 

「様子を見る」ということ

よく「様子を見ましょう」と言われることがあると思います。
わたしも、あまり使わないようにしようと思いながらも、つい言ってしまう言葉です。

様子を見るということは、見方によって二つの意味があります。
一つ目は、経過を見た方が、治療するよりもよりメリットが大きいと判断出来たときに、積極的にする判断
二つ目は、判断が付かないから、治療しないでリスクを回避するという意味での消極的な判断

一般的な歯科医院の判断は、虫歯に関しては、一つ目の判断が出来ずに無駄に治療し、矯正に関しては、二つ目の判断から治療しないという結果になることが多くなります。
保護者の方の望まれる結果も、実はこれと折り合ってしまうので、厄介です。

保護者の方は、子供に虫歯が有るなら早く治してほしいと考えます。
「虫歯は有りますが、今回は治療しません」と説明されると、心配になります。
場合によっては、他院に行き「すぐやりましょう」と言われ、治療するのが親切と感じてしまうこともあるかもしれません。
逆に、矯正に関しては高額な治療費がかかりますから、「様子を見ましょう」と専門家に言われると安心するのです。

でも、実際には、全く逆の判断の方が、結果が良いことが多くなるのは明らかですね。
専門家として、二つ目の「様子を見ましょう」は、絶対言わないようにしなければならないと思っています。