子供の矯正を検討する年齢とタイミングって難しいですね。
最近の子供は、歯の出て来るスペースの不足で、歯並びが悪くなる傾向があります。
よく、固いものを噛まなくなってあごが小さくなってきたからだと言われますが、そうではなく、歯が大きくなってきたからという説が有力です。
逆に、永久歯の先天欠如が増え、生え変わりの時期に永久歯が足りないというケースも多くなりました。
もしかすると、未来人は歯の数が少なくなるのかもしれません。
以前なら、矯正治療は、永久歯がはえそろってからの治療(二期治療)がメインでした。
しかし、歯の出て来るスペースの不足によってデコボコ歯並びになっていたり、受け口等の場合は、乳歯や混合歯列の時期(一期治療)から、少しずつ治療を始めた方が有利になることもあります。
子供のうちに矯正を始めるべきなのか、いつチェックすれば良いのかについてまとめます。
どんな歯並びが要注意?
要注意の歯並びは下記のようなものです。
・前歯の咬み合わせが反対(受け口)
・出っ歯
・歯の並びがデコボコ(乱杭歯)
・八重歯
八重歯・乱杭歯
チェックポイントの時期はいつか
1、乳歯が生えそろう時期(3歳)
2、6歳臼歯が出てきた時
3、上の前歯が生え変わる時(7歳〜8歳)
4、犬歯・小臼歯が生え変わる時(10歳〜11歳)
5、永久歯が生えそろった時期(12歳前後)
つまり、中学生までは、ほぼ毎年歯並びチェックをした方が良いと言うことですね。
半年に一度などど決めて、定期的に歯科医院に検診に行き、虫歯や歯並びの異常がないか、チェックすれば万全です。
早期に治療した方が良い可能性があるケース
1、乳歯で受け口(上の歯と下の歯の噛み合わせが反対)
2、6歳臼歯の噛み合わせが悪い
3、2番目の前歯の場所が無い
特に3の時期(7歳〜8歳頃)は、80〜90%の子供が、あまりうまくいかない方に該当すると言われるようになりました。
受け口
勝手になおらないのか?
あごの成長とともに、ガチャガチャな歯並びが自然になおることはないのか?というのが、最も多い質問です。
結論から言うと、自然になおることは少ないです。
あごの成長は後に向かって進み、あまり横には広がらないからです。
放置も治療 ?!
あごの骨格の改善が必要なお子さんは、早い時期に矯正の専門医を訪れ、多くの場合は、早期に治療を開始する必要があります。
骨格に改善が必要ないお子さんや、矯正治療が結果的に必要ないお子さんも、継続して経過を見ていく必要があります。
治療のタイミングが永久歯になってからになるとしても、早めに治療した方が良いことになるケースもありますので、成長と歯の生え変わりを観察しながら早期に始めるのか、成長後に対処するのかを決めていきます。
とにかく歯科医院に行け!という結論で申し訳ないのですが、この「経過観察」が、子供の矯正治療の重要な一部となります。
もし何もしないという判断をしたとしても、これは放置するのではなく待つということです。
この判断が、非常に重要な診断なのです。
早く始めると治療期間が長くなる
私も以前は、早期の治療開始には消極的でした。
理由は、最終的な治療終了までの期間が長くなる事です。
子供の矯正は、歯が生え変わる途上、成長の途中では変化が常に起こっている事から、その時々の治療方針に変更、修正が必要です。
成長の終了、永久歯列完成までで、やっと一段落です。
最終的な仕上げは永久歯が生えそろってから(二期治療)になりますから、早く始めるとそれだけ治療期間が長くなります。
しかし、現在は多くの子供の歯並びに問題があることが多くなり、早期に着手した方が良い子供がとても多くなったと感じます。
治療期間自体は長くなりますが、早く始める事で、介入が少なく済む事が多くなり、結果、負担もかなり小さくなる事がわかりました。
そのため現在は、早期の開始をおすすめすることも多くなりました。
繰り返しになりますが、もし治療しない場合でも、経過観察が重要な治療の一部になります。
出っ歯は早期治療の対象外?
出っ歯の治療は、一期から始めても、永久歯列になってから始めても、治療効果に大きな差は無かったということが、最近の一部の研究で指針として出されました。
多くの症例にあてはまるとは言えませんが、出っ歯のみが問題の場合は、早期治療は適応ではない可能性があります。
出っ歯
どういう装置を使うか
ムーシールド
ムーシールドは乳歯の時期に受け口(上下反対の咬み合わせ)を改善する装置です。
乳歯列期に治療を行う事によって正常な顎骨の成長発育の促進及び、永久歯の正しい生え変わりを期待します。
主に就寝時に使用します。
適応年齢:3歳から
プレオルソ
ポリウレタンの柔らかい素材でできた装置。
様々な症例に適応します。
主に就寝時に使用します。
適応年齢:3歳から10歳
拡大装置
あごの横幅を広げる入れ歯のような装置です。
前歯の出て来るスキマが足りない場合などに使用します。
インビザライン・ティーン
永久歯が生えそろう時期の、小学校高学年からは、大人と同様にマウスピース矯正での対応も可能です。
永久歯列にむけて、本格的な歯列矯正の時期になります。
気をつけるべき癖
指しゃぶり
4歳くらいまでは普通なので心配ありません。
5歳くらいでしているときは、歯並びに影響する可能性があります。
ポカンと口をあいている
口呼吸をしているといつも口が開いていることで、唇の力が弱くなったり、舌の位置が悪くなって、出っ歯になることがあります。
鼻炎などでお鼻がつまりやすかったり、扁桃腺を原因にする場合も多いです。
ものを飲み込むときに舌が見える
前歯が生え変わる時に、永久歯が出るまでの間に歯が無くなるので、スキマをふさぐために舌に癖がつくことがあります。
前歯が合わさらずにスキマができたり、出っ歯の原因になったりします。
歯科医院で、舌の正しい使い方のトレーニング(MFT)を受けて下さい。
こどもに「キレイな歯並び」という財産を残す
歯並びは財産です。
アメリカでは、子供が矯正装置を付けている事は、社会的ステータスとなります。
ショッキングピンクのような、目立つ装置をわざわざ選んで付けるくらいです。
難しい時代を生きて行く、大事なお子様の将来に、教育と同様「歯並び」を財産として残すことも良いアイデアだと思います。
インビザラインの詳しい説明はこちらです
インビザラインは、取り外せる透明な矯正装置であるマウスピース矯正の中で、世界で最初に確立されたスタンダードシステムです。追加料金が発生せずに治療が可能です。