歯科矯正には、「マウスピース矯正」や「ワイヤー矯正」など、さまざまな種類があります。
それぞれ特徴があるため、矯正を始める前にはメリットやデメリットの把握が重要です。
当院ではこれまでに、ワイヤーによる治療を含め、歯科矯正をさまざまな方法でおこなってきました。
500名の患者さまの治療にはインビザラインを使用しています。
そして、現在は主にマウスピース矯正の一種である「インビザライン」と「シュアスマイル」という2種類の方法を採用しています。
本記事では、主な4種類の歯科矯正の特徴やメリット・デメリットと、自分にあった選び方を解説します。
また、記事の後半では、近年人気を集めているマウスピース矯正にフォーカスし、マウスピース矯正の種類や患者さんが誤解しやすいポイントについて解説します。
この記事が歯科矯正に対する不安を払拭し、自分にあった治療を始めるきっかけとなるとうれしいです。
歯科矯正の4種類の方法と自分に合った選び方
歯の矯正方法は、大きく分けると以下の4種類あります。
- マウスピース矯正
- ワイヤー・ブラケット矯正(表側・裏側)
- セラミック矯正
- 外科矯正
私の医院ではこれまで、「マウスピース矯正」「ワイヤー・ブラケット矯正(いわゆるワイヤー矯正)」「セラミック矯正」といった治療方法を採用してきました。
そのうえで、今の私の考えを言うと、顎(あご)の骨の歪みや歯そのものに問題がない場合は、マウスピース矯正がオススメです。
なぜならマウスピース矯正は、歯の健康に優しく、治療中の痛みも少ないうえに、費用も抑えられるなど、さまざまなメリットがあるからです。
ただし、骨格や症状によっては、他の矯正方法のほうが合っているケースもあります。
そこで、次は自分に合った矯正方法をチェックしてみましょう。
自分に合った歯科矯正の方法を簡易チェック
まずは、以下の図の4つの質問に「YES・NO」で答えてみてください。
この質問に答えていただくことで、あなたに合った矯正方法がわかります。
もし、「顎の骨に問題があるかわからない」という方は、信頼できる歯科医院の無料カウンセリングを受けてみてください。
私の医院でもカウンセリングや、LINEでのご相談をお受けしていますので、お気軽にご相談ください。
4種類の矯正方法を表で比較
続いては、4種類の矯正方法の特徴についてお教えします。
わかりやすく表で比較してみましょう。
マウスピース矯正 | ワイヤー・ブラケット矯正(表側・裏側) | セラミック矯正 | 外科矯正 | |
概要 | 透明に近いマウスピース型の矯正装置を歯にかぶせる方法 | 歯の表面につけたブラケットという土台に、ワイヤーを通して締める方法 | 歯を削り、上からセラミックの人工歯をかぶせる方法 | 骨格を変える外科手術 |
見た目 | 装置が目立ちにくい | 表側:装置が目立つ 裏側:装置が目立ちにくい |
装置はつけず、人工歯もほぼ目立たない | 術後に腫れる場合がある |
治療費 | インビザライン:30〜130万円 その他:30〜80万円 |
50〜180万円 | 50〜300万円 | 30万〜数百万円 |
治療期間 | 数ヶ月〜3年以上 | 数ヶ月〜3年以上 | 約1ヶ月 | 1日~3年以上 |
向いている人 |
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この表にまとめた通り、目立ちにくい矯正装置を使って、健康な歯を削らずに治療したい場合は「マウスピース矯正」が最も適しています。
4種類の矯正方法のメリット・デメリット
それでは、それぞれの矯正方法のメリットやデメリットについて、さらに詳しく見ていきます。
まずは、「マウスピース矯正」から取り上げましょう。
【方法1】マウスピース矯正
「マウスピース矯正」とは、透明に近いマウスピース型の矯正装置を歯にかぶせる方法です。
マウスピース矯正装置をつくり、少しずつキレイな歯並びになるよう、段階的に矯正装置を付け替えることで歯並びを整えます。
(マウスピース矯正装置は「アライナー」や「トレー」とも呼ばれています)
矯正装置が透明で目立ちにくく、自分自身で取り外しができます。
よって、見た目が気になりにくいのが特徴です。
また、インビザラインを使えば、抜歯を伴うような難しい治療もできます。
治療中の見た目 | 透明に近く、目立たない |
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治療費用の相場 |
インビザライン:30〜130万円 その他:30〜80万円 |
治療期間 | 数ヶ月〜3年以上 |
可能な治療内容 |
マウスピース矯正装置の種類によって違います。
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主なメリット |
1.ワイヤー・ブラケット矯正より負担が少ない
2.矯正装置が目立ちにくい 3.矯正装置を自分で取り外せる 4.ホワイトニングも一緒にできる 5.歯に金属をつけずに済む
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主なデメリット |
1.1日20時間の装着時間を守らないと治療がうまく進まない 2.飲食時の制限が多い
3.装置を毎日洗浄する必要がある |
なお、マウスピース矯正と一口に言ってもさまざまな種類があります。
マウスピース矯正の種類や詳しい選び方については、次章の「マウスピース矯正の選び方」をお読みください。
【方法2】ワイヤー・ブラケット矯正
「ワイヤー・ブラケット矯正」とは、歯の表面や裏側につけた「ブラケット」という土台に、ワイヤーを通してグッと締める方法です。
歯科矯正をおこなう際、マウスピース矯正と一緒に検討されることが多いです。
メジャーな方法ではあるものの、矯正装置が目立ったり、ワイヤーで口内が傷ついて痛みが出たりすることが多いのが難点です。
治療中の見た目 | ブラケットをつける場所によって異なる
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治療費用の相場 | 50〜180万円 |
治療期間 | 数ヶ月〜3年以上 |
可能な治療内容 |
軽いデコボコの歯並びから、歯を抜くような難しい歯並びまで治療可能 ※歯の状態によっては「アンカースクリュー矯正」というインプラントを埋め込む方法が必要な場合もある ※顎の骨に問題がある場合は外科手術が必要 |
主なメリット |
1.矯正装置を取り外す必要がない
2.矯正装置が金属のため、装置への色素沈着や傷がつく心配が少ない 3.歯の裏側で治療する場合、矯正装置が目立たない |
主なデメリット |
1.歯の表側で治療する場合、矯正装置が目立つ 2.治療期間が長く、費用が高くなることがある 3.抜歯が必要になることが多い 4.装置で口の中が傷つくなど、痛みを感じやすい 5.矯正装置が壊れないように注意が必要 6.一箇所でも装置が外れたら通院が必要になる 7.外したいタイミングで矯正装置を外せない 8.装置が金属の場合、金属アレルギーの心配がある 9.装置がついている間はホワイトニングができない |
【方法3】セラミック矯正
「セラミック矯正」とは、自分の歯を細くなるまで削り、その上に「クラウン」と呼ばれるセラミックの人工歯をかぶせる方法です。
短期間で歯の色と形を好みに変えられるので、芸能人も多く取り入れています。
(1ヶ月程度で終わるため、美容外科では「クイック矯正」とも呼ばれています)
すぐに歯の見た目を美しくできる一方、治療の影響で歯茎が黒くなることがあります。
また、噛み合わせや歯並びを大きく変えるような治療はできません。
治療中の見た目 | 矯正装置をつけず、数本ずつセラミックに切り替えるため、目立たない |
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治療費用の相場 | 50〜300万円 |
治療期間 | 1ヶ月程度 |
可能な治療内容 |
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主なメリット |
1.短期間で見た目がキレイになる 2.好みの色やサイズの歯に変えられる 3.矯正装置をつける必要がない |
主なデメリット |
1.健康な歯を芯だけになるほど削る 2.健康な歯の神経を抜くことで、歯ぐきが黒くなる場合がある
3.見た目を整えるだけで、噛み合わせや歯並びは変えられない 4.素材によっては金属アレルギーの心配がある 5.セラミック製で人間の歯よりも硬いため、噛み合う歯が削れることがある 6.材質や本数によって、かなり高額になる |
【方法4】外科矯正治療
「外科矯正治療」とは、顎の骨のゆがみや口元全体のシルエットを骨格から変えたいときに、外科手術をおこなう方法です。
顎の骨を切ってつなぎ合わせるため「骨切り(セットバック)」とも呼ばれます。
顎の骨に問題がある「顎変形症(がくへんけいしょう)」と診断されれば、保険診療の対象になります。
顎周りは、大切な血管と神経が集中している場所です。
本当にリスクをとって手術すべきか、どの病院・クリニックで手術すべきかは慎重に検討しましょう。
治療中の見た目 |
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治療費用の相場 |
30万〜数百万円 ※「顎変形症」と診断されると健康保険が適用される。 美容外科で審美目的の手術をする場合、全額自己負担となる 参考:東京大学医学部附属病院 口腔顎顔面外科・矯正歯科のサイトより |
治療期間 |
治療内容や、治療を受ける病院やクリニックによって変わる (1週間近く入院することもあれば、日帰りで済む場合もある) |
可能な治療内容 | 口元の突出感をおさえる、顎をまっすぐにするなど、骨格から変えられる |
主なメリット |
1.噛み合わせの根本的な原因となる、顎の骨の歪みから治療ができる 2.口元の突出感をなくすなど、口元の印象を大きく変えられる |
主なデメリット |
1.身体への負担が大きい
2.副作用などのリスクが大きい
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以上のように、それぞれの治療法にはメリットとデメリットがあります。
ちなみに、これらの治療の中で、私がいま最もオススメしているのが「マウスピース矯正」です。
続いて、マウスピース矯正の選び方やオススメの種類について、詳しく解説します。
マウスピース矯正の選び方
マウスピース矯正は、目立ちにくく、矯正中の痛みも少ないことから、近年人気が高まっています。
一方、その名の通り「マウスピース」の矯正装置によって、うまく矯正が進むかどうかが異なります。
よってここからは、自分に合ったマウスピース矯正装置の選び方をお伝えします。
マウスピース矯正装置の種類と選び方
現在、歯科業界には多くのマウスピース矯正装置が存在しており、その数は今や20種類を超えています。
2018年に、インビザラインの特許の一部が切れたために、安価な後発品が次々と発売されたためです。
しかし、それだけ多くの種類がありつつも、実際には、インビザラインを含む大手グローバル企業発売の4つのブランド以外は、名前やプランが違えど、特に材料や技術的な違いなどは無く、技工所が違うだけといったものです。
つまり、分類すると、以下の2種類に大きく分けられます。
- 1.大手グローバル企業発売のマウスピース(インビザライン、シュアスマイル、スパーク、クリアコレクト)
- 2.格安マウスピース(LCM:ローコストマウスピース)
- 【ブランド例】キレイライン矯正、アソアライナー、KEN LINE、SmileTRU、Oh my teeth、DPEARL、hanalove、hanaravi、ウィ・スマイル矯正、コレクトライン、エミニナル矯正、アットスマイル矯正、Zenyum
結論からお伝えすると、「インビザライン」「シュアスマイル」を選ぶのがオススメです。
なぜなら、患者さんの歯の健康と、完治までにトータルでかかる費用の点で、「インビザライン」と「シュアスマイル」を使うメリットが大きいからです。
「インビザライン以外は歯によくないの?」
「『格安』マウスピースなら、インビザラインよりも安いんじゃないの?」
と疑問に思われる方もいるかもしれません。
そこで、続いては「インビザライン」と「格安マウスピース」の違いについてご説明します。
ちなみに、「シュアスマイル」(2021年発売)「スパーク」(日本未発売)「クリアコレクト」という3つのマウスピース矯正装置は、インビザラインと同様に、大手グローバル企業による製品であり、全く同じ方法で治療ができます。
次に説明するインビザラインの特徴は、この3つのマウスピース矯正装置にも、同様に当てはまることを知っておいてください。
つまり、格安マウスピースに属さないのは、インビザライン、シュアスマイル、スパーク、クリアコレクトの4種。それ以外はすべて格安マウスピース矯正装置と同じグループに分類されます。
「インビザライン」と「格安マウスピース」の違いは?
「インビザライン」と「格安マウスピース」の主な違いを、以下の表にまとめました。
インビザライン | 格安マウスピース | |
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歯の移動 | 歯の平行移動が可能 | 歯の平行移動ができない |
費用 | 短期的に見ると費用が高い (ただし、1年以上治療が続く場合は安くなる場合が多い) |
短期的には費用を安く抑えられる |
それぞれの違いについて説明します。
1.歯の平行移動が可能か
矯正治療の際に「インビザライン」は歯を平行移動できますが、「格安マウスピース」では歯の平行移動ができません。
これは、インビザラインには「アタッチメント」をつけられるが、格安マウスピースには「アタッチメント」をつけられないためです。
「アタッチメント」とは、歯に取り付けられる小さな突起物です。
アタッチメントを使って治療をすると、歯を根元からまっすぐ平行に動かしたい位置まで動かせるため、歯が傾いたまま動くことがありません。
つまり、アタッチメントをつけられるインビザラインでは、歯を大きく移動させる必要があるような、難しい治療も進められるのです。
(ちなみに、日本国内でアタッチメントを使った治療ができるのは、2023年3月時点では「インビザライン」「シュアスマイル」「クリアコレクト」の3つのマウスピース矯正装置のみです)
一方、アタッチメントをつけられない格安マウスピースは、歯の見えている部分は動かせても、根元からは動かせません。
そのため、格安マウスピースは「軽微な傾きの調整や移動」といったカンタンな治療には適していますが、難しい治療には向かないのです。
想定通りの場所に歯を動かすために、医師には高い技術が求められます。
2.完治までにどれくらいの費用がかかるか
インビザラインの場合、治療費は合計で約80〜90万円ほどかかります。
一方、格安マウスピースは月3万円から始められ、合計で30~50万円ほどで済むと書かれたサイトをよく見かけます。
これだけを見ると、格安マウスピースのほうが安く済みそうですね。
しかし、ここで確認しておきたいのは「完治までにかかる費用」です。
歯科医院やプランにもよりますが、インビザラインの治療費には、マウスピースの作り直しや追加にかかる費用が含まれています。
この費用は、5年間分の費用となっています。
インビザラインを用いた治療は、長い場合でも3年ほどで済むことが多く、5年もかかることはまれです。
そのため、インビザラインでは、最初に支払った費用に、追加で支払いが必要になるケースはほとんどありません。
しかし、格安マウスピースの場合、月ごとに治療費が発生します。
つまり、治療期間が長くなると、その間の費用も追加で支払わなければなりません。
そのため、格安マウスピースで治療していたが、治療がうまく進まず治療期間が長引き、想定していたよりも費用がかかってしまった・・・というケースが起こり得るのです。
実際に当院の患者さんのケースでは、1年以上治療が続く場合、最初からインビザラインを用いた方が、トータルでの費用が安く済んだケースが多いんです。
そのような患者さんの多くが、「最初からインビザラインで治療しておけばよかった・・・でも今から追加で費用をかけるのも難しい・・・」と後悔されているんです。
インビザラインのメリット・デメリット
インビザラインには、上記以外にも、たくさんのメリットがあります。
ここで、インビザラインのメリットとデメリットをまとめて紹介します。
主なメリット |
1.難しい治療もできる 2.治療期間が短く済む
3.治療の完了イメージや治療期間の目安が最初にわかる 4.石膏型をとる必要がなく、専用の口腔内スキャナーで1回で歯型をとれる 5.グローバル企業が開発しており、安全性が高い
6.矯正装置が機械で作成されるため、品質にばらつきがない 7.虫歯治療などで中断しても、すぐに矯正治療を再開できる 8.永久歯が生え始めた6歳から治療できる 9.開発会社が大企業なので、途中で開発をやめる可能性が少ない |
---|---|
主なデメリット |
1.歯にアタッチメントをつけるので、見た目が気になる場合がある
2.海外製のため、日本国内の薬事認証の認証対象には含まれず、保険が適用されない |
前述したように、インビザラインの最大の特長は「難しい治療もできる」という点です。
これは、インビザラインの開発会社「アライン・テクノロジー社」が、全世界の600万人の患者さんのデータを保有しているから。
歯科医院ではそのデータを用いて、患者さんごとに、最も効率的に矯正を進められるマウスピースをつくれるのです。
一方、デメリットとしては、歯の表面にアタッチメントを付けた場合に、見た目が気になる場合があることです。
しかし、アタッチメントは小さく、歯と馴染む色なので、そこまで気にならないという方も多いです。
2018年頃から、「数万円でマウスピース矯正ができる」「通院0回」とうたう格安マウスピースが増えてきました。
しかし、マウスピース矯正は「膨大な治療データの蓄積」「矯正システムの開発力」「経験豊富なドクターによる調整」の3つがそろってこそ成功するものです。
今、世界中の膨大な治療データをもとに開発できている会社は、「インビザライン・システム」を採用したマウスピース矯正装置をつくる大手4社だけでしょう。
データをもとに作られた装置を使い、経験豊富な歯科医師に、理想の歯並びになるように調整してもらいながら進めることがとても大切です。
ここまでご説明したように、インビザラインは他のマウスピース矯正装置と比べてたくさんのメリットがあります。
とはいえ、「治療後に後戻りはしないの?」「通院頻度は多いの?」といった疑問をおもちの方もいらっしゃるかもしれません。
以下の記事では、そのようなインビザラインへの疑問について、詳しく解説しています。
もし、直接私に質問や相談をしたいという方は、LINEやメールからお気軽にご連絡ください。
できるだけ早くお返事を差し上げます。
マウスピース矯正についてよくある4つの誤解
ここまで読んで、マウスピース矯正やインビザラインに興味をもった方も多いでしょう。
一方、マウスピース矯正のデメリットとして、ネット上で以下のような情報を見つけ、不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
- マウスピース矯正は、抜歯を伴う治療など難しい治療ができない
- 腕のいい歯科医はマウスピース矯正をすすめない
- マウスピース矯正は失敗しやすい
- マウスピース矯正は治療期間が長くなる
実は、これらは全てウソなんです。
どういうことか、ひとつずつ解説していきましょう。
【間違い1】
マウスピース矯正は、抜歯を伴う治療など難しい治療ができない
マウスピース矯正のなかでも「インビザライン」なら、抜歯を伴うような難しい治療も可能です。
アタッチメントがつけられない格安マウスピースを使う場合、補助装置を使わないと抜歯症例に対応できません。
そのため、「マウスピース矯正は抜歯症例に対応できない」と誤解している歯科医師もいるようです。
さらに、 「名医は絶対に抜歯しない」という情報もウソです。
なぜなら、 本当の名医であれば「絶対に抜歯しない!」「絶対に抜歯する!」と、どちらかに偏った考え方はしないからです。
患者さんにとって歯を抜いた方がよい場合もありますので、「歯を抜かないこと」が「常にベストな方法」ではありません。
とはいえ、健康な歯はできるだけ抜かないほうがいいのは本当です。
そこで、抜歯についてここでは説明しきれないことをブログに詳しく書きました。
気になる方はこちらもお読みください。
【間違い2】
腕のいい歯科医はマウスピース矯正をすすめない
これも間違いです。
ワイヤー・ブラケット矯正で名医といわれる先生方も、マウスピース矯正、とくにインビザラインで治療をどんどん始めています。
前述したように、インビザラインは対応できる症例が多く、患者さんの歯に最適な治療を提案できるからです。
もし、マウスピース矯正以外をオススメされたら、その理由を納得できるまで聞いてみてくださいね。
【間違い3】
マウスピース矯正は失敗しやすい
いいえ、 マウスピース矯正で失敗が起こるのは、矯正方法の問題ではなく、歯科医師の技術力に問題があるためです。
マウスピース矯正の失敗のほとんどは、歯科医師が患者さんの装着状況をきちんと把握しないまま進んでしまうことで起こります。
また、経験が浅い歯科医師は、マウスピース矯正装置の種類の選び方や、歯の動きのコントロール方法を間違える可能性があるのです。
いくらマウスピース矯正が画期的な治療方法でも、正しい使い方をしなければ、思うように歯を動かせず、歯がキレイに並ばずに終わってしまうことがあります。
マウスピース矯正に限らず歯科矯正で失敗しないためには、治療経験が豊富な歯科医師を選ぶことがとても重要なんです。
【間違い4】
マウスピース矯正は治療期間が長くなる
そんなことはありません。
むしろ、「マウスピース矯正」は「ワイヤー・ブラケット矯正」よりも短期間で終わることが多いです。
数年前に使われていたマウスピース矯正装置は、カンタンな治療向きのものが主流でした。
ところが、最新のマウスピース矯正装置は劇的な進化を遂げています。
とくに「インビザライン」では、これまではできなかった難しい治療を、短期間かつ痛みの少ない方法で実現できるようになっています。
私の医院ではマウスピース矯正もワイヤー・ブラケット矯正も扱っていますが、マウスピース矯正のほうが早く治療できるケースがほとんどです。
ネット上での情報は、インビザラインには当てはまらなかったり、筆者が正しい知識をもたずに書いている場合があります。
本記事の情報をもとに、インビザラインや、インビザラインと全く同じ治療が可能なシュアスマイルでの治療を検討してみてくださいね。
最後に
自分に合いそうな矯正方法は見つかったでしょうか。
もし、「マウスピース矯正」や「インビザライン」、「シュアスマイル」についてもっと詳しく知りたい場合は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。
話者・監修:海老沢 聡(海老沢歯科医院 院長・歯科医師)