海老沢歯科医

歯の詰め物が痛い?原因と簡単対処法を徹底検証!

「歯の詰め物が痛くなってきたけど、放っておいても大丈夫かな…」
「詰め物が取れかけているような気がするけど、どうしたらいいんだろう」

歯の詰め物の痛みや違和感は、放置すると深刻な問題に発展する可能性があります。
早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けることで、痛みの軽減や歯の保護が可能になるでしょう。

この記事では、歯の詰め物に関する不安や悩みを抱えている方に向けて、

– 詰め物が痛くなる原因
– 痛みを和らげる応急処置の方法
– 歯科医院での治療内容

上記について解説しています。
痛みや違和感があるときは早めの対処が大切です。

詰め物のトラブルで困っている方は、この記事を参考に適切な対処法を見つけてください。

 

歯の詰め物に関するよくある質問

歯の詰め物に関する疑問や不安を抱える方は少なくありません。

詰め物の痛みや寿命、被せ物との違いなど、歯科治療に関する素朴な疑問について、歯科医師の視点から分かりやすく解説していきましょう。

歯科治療の選択肢は年々進化しており、保険診療から自費診療まで、患者さんの状態や希望に合わせて最適な治療法を選択できるようになっています。

以下で、詰め物に関する主な疑問について、具体的に解説していきます。

 

詰め物が痛い時の原因は?

歯の詰め物が痛む原因は、いくつか考えられます。
その中でも、虫歯の再発により詰め物の下に新たな虫歯ができてしまうことが、最も多い要因でしょう。
詰め物と歯の間に隙間ができて細菌が侵入し、虫歯になり、痛みを引き起こすケースです。

歯科医院での治療直後であれば、詰め物が高すぎて噛み合わせに違和感を感じることがあります。
また、神経のある歯に深い詰め物をした場合、温度変化に敏感になって痛みを感じやすくなってしまうことがあります。

治療をしたばかりで、冷たいものが「しみる」程度は様子を見てもいいでしょう。
しかし、熱いものがしみたり、持続的な痛みがある場合は、すぐ受診してください。
その場合は、放置すると症状が悪化する可能性が高いため、我慢は禁物。
また、詰め物周辺の歯ぐきが腫れている、噛むと痛いといった症状がある場合は要注意です。

治療法は症状によって異なりますが、詰め物の高さ調整や再充填、場合によっては神経治療が必要になることも。

適切な処置を受ければ、多くの場合は痛みから解放されるでしょう。
定期的なメンテナンスで詰め物の状態をチェックすることで、痛みの予防にもつながります。

 

詰め物の寿命はどれくらい?

歯の詰め物の寿命は、使用する素材や口腔内の環境によって大きく異なります。
保険適用の金属製の詰め物(銀歯)は平均5〜7年ほどと言われますが、プラスティックの白い詰め物は約3〜5年程度の寿命でしょう。
自費診療のセラミックなどの材料は、適切なケアを行えば10年以上持続することも可能です。

寿命に影響を与える要因として、歯ぎしりやかみ合わせの状態が挙げられます。
また、甘いものの過剰摂取や歯磨き習慣の乱れは詰め物の劣化を早めてしまいます。

定期的なメンテナンスを行うことで、詰め物の状態を良好に保つことができるでしょう。
歯科医院での3〜6ヶ月ごとの検診がおすすめです。

詰め物の交換時期は、変色や欠け、痛みの有無などを総合的に判断して決定していきます。
早めの対処が2次虫歯の予防につながることも多いため、違和感を感じたら迷わず歯科医院を受診しましょう。

 

詰め物と被せ物の違いは?

歯の詰め物と被せ物は、虫歯の治療法として広く知られています。
詰め物は、虫歯によってできた小さな穴や欠損部分を埋める治療法です。
一方、被せ物は歯全体を覆うように装着する治療法です。クラウン(冠)と呼ばれます。

詰め物は、歯の損傷が比較的軽度な場合に選択される治療方法となります。
虫歯の大きさが歯の表面の3分の1程度までなら、詰め物での治療が適しているでしょう。

被せ物は、歯の損傷が大きい場合や、強度を必要とする奥歯の治療に使用されます。
歯全体を保護し、咀嚼時の強い力にも耐えられる構造になっているのが特徴的。

治療費用にも大きな違いがあり、詰め物は1本あたり500円から2万円程度、被せ物は1本あたり2000円から30万円程度と幅広い価格帯となっています。
保険適用の場合は、詰め物が500円から2000円、被せ物が3000円から6000円程度でしょう。

治療期間も異なり、詰め物は1回の来院で完了することが多いのに対し、一般的に、被せ物は型取りや仮歯の装着など、2〜3回の来院が必要になります。

歯科医院での相談時には、これらの違いを踏まえて最適な治療法を選択することをお勧めします。

 

詰め物の種類とその選び方

歯の詰め物には、保険適用のものから自費診療まで、様々な種類や素材があります。
治療費用や見た目、耐久性など、それぞれの特徴を理解することで、自分に最適な詰め物を選択できるようになります。

歯科医院での治療では、保険適用の銀歯(金属)から、見た目が自然な白い樹脂やセラミックまで、幅広い選択肢が用意されています。

以下で、保険適用と自費診療の詰め物について、それぞれの特徴や選び方のポイントを詳しく解説していきます。

 

保険適用の詰め物

保険適用の詰め物には、銀歯として知られるものと、白い樹脂の2種類が主に存在します。
銀歯は、強度はありますが、歯との間に隙間が出来やすい特徴を持っています。
樹脂の詰め物は、見た目が自然で審美性に優れた選択肢ですが、大きく詰める場合には、強度の問題が出てきます。

保険適用の詰め物の料金は、3割負担の場合で1本あたり1,000円から2,000円程度。ただし、奥歯にかかる咬合圧が非常に強いため、大きくなる場合は、金属かセラミックが推奨されます。

樹脂の詰め物は前歯や小臼歯に適しており、耐久性は5年から7年ほど。
保険適用の詰め物は、経済的な負担を抑えながら治療を受けられる重要な選択肢です。

 

自費診療の詰め物

自費診療の詰め物には、セラミック、ゴールド、ハイブリッドセラミックスなど多彩な選択肢があります。
セラミックは天然の歯に近い見た目を実現し、審美性に優れた素材でしょう。同じセラミックの中にも、柔らかいセラミックであるガラス・セラミックから、やや硬いe-max、硬度が高くブリッジなどに向いているジルコニアなどがあります。

ハイブリッドセラミックスは、セラミックとレジンの特徴を併せ持つ新世代の材料です。
料金は素材によって異なり、3万円から10万円程度まであります。

保険診療の銀歯と比べると高額ですが、見た目や耐久性で大きな違いが出ます。

歯科医院によって使用する材料や技工料が異なるため、実際の費用は医院ごとに確認が必要でしょう。
また、詰め物の大きさによっても料金は変動する場合があります。

自費診療の詰め物は10年以上の長期使用が可能で、メンテナンスを適切に行えば15年以上持つケースも珍しくありません。

 

素材ごとの特性と料金

歯の詰め物の素材は、保険適用のシルバー系合金から自費診療のセラミックまで幅広い選択肢があります。

シルバー系合金は1本あたり500円程度と手頃な価格設定です。耐久性に優れた特徴を持ちますが、金属色が目立つ欠点も。
ゴールド系合金は3万円前後で、審美性と耐久性のバランスが取れた人気素材でしょう。
最も見た目が自然なセラミックは、1本5万円程度からと高額ですが、金属アレルギーの心配がありません。
コンポジットレジンは2万円前後で、天然歯に近い色合いを実現。
ただし、耐久性は他の素材と比べてやや劣ります。

各素材にはそれぞれ特徴があり、場所や予算に応じて最適な選択が可能です。

 

被せ物の種類と選び方

歯の被せ物は、大きく欠損した歯を修復する重要な治療法です。
虫歯や破折によって大きく損傷した歯を保護し、本来の歯の機能を取り戻すために不可欠な治療オプションとなります。
歯の表面全体を覆うことで、歯の強度を回復させ、さらなる損傷を防ぐ効果が期待できるのです。

具体的には、歯の咀嚼機能の回復や審美性の向上、そして歯の寿命を延ばす効果があります。
被せ物の種類は保険適用のものから自費診療のものまで幅広く、患者さんの状態や予算に応じて最適な選択肢を選ぶことができます。

以下で、保険適用の被せ物から自費診療の被せ物まで、それぞれの特徴や料金について詳しく解説していきます。

 

保険適用の被せ物

保険適用の被せ物には、主に金属冠とCAD/CAM冠の2種類があります。
金属冠は保険診療で最も一般的な選択肢で、銀色の金属製の被せ物となるでしょう。
値段は、一部負担額で言うと、3割負担の方で、前歯で約7000円、奥歯で約4000円ほどです。
耐久性に優れ、平均10年以上使用できる特徴を持っています。

一方、CAD/CAM冠は白い被せ物です。
見た目は自然ですが、耐久性は金属冠よりやや劣ります。
費用は1本あたり約6-7000円前後となっています。

保険適用の被せ物は、歯科医院によって使用する金属の種類が異なることがあります。ニッケルクロム合金やコバルトクロム合金が一般的な選択肢となりました。
金属アレルギーの方は、チタン合金を選択することも可能です。

保険診療の被せ物は、見た目や耐久性に制限がありますが、経済的な負担が少ないメリットがあります。
定期的なメンテナンスを行えば、より長期間使用できるはずです。

 

自費診療の被せ物

自費診療の被せ物には、セラミック、ジルコニア、ゴールドなど多彩な選択肢があります。
最も人気が高いセラミックは、天然の歯に近い見た目と優れた強度を備えており、1本あたり7万円から15万円程度の費用が必要でしょう。

より強度を重視するならジルコニアもおすすめですが、硬すぎて噛み合わせに問題が出ることや相手の歯にダメージがあるケースがあります。
セレックなどの即日接着ができるシステムがある歯科医院ならば、柔らかくてエナメル質と同じ硬さの「ガラス・セラミック」による修復が、歯に優しくおすすめです。もっとも元通りに近い形のなおし方と言えます。

そして、金属アレルギーの心配がなく、噛み合わせにも強いため、奥歯の被せ物として、最適な選択肢となっています。

被せ物の寿命は、素材や口腔内の環境によって大きく異なります。
セラミックやジルコニアは適切なケアを行えば15年以上持続するケースもあります。
毎日の丁寧なブラッシングと定期的なメンテナンスで、美しい歯並びを長く保つことができるでしょう。

 

素材ごとの特性と料金

歯の被せ物の素材選びで重要なのは、耐久性と見た目のバランスです。

セラミック製は、1本7万円から12万円で、審美性と強度を兼ね備えた人気の選択肢となりました。
ジルコニアは1本8万円から15万円と高価な素材ながら、強度・審美性ともに優れています。

素材選びの際は、被せ物を入れる場所も重要なポイントです。
奥歯ならガラス・セラミックか強度重視のジルコニア、前歯なら見た目重視のセラミックがいくつかありますので、適したものを選択します。

保険診療と自費診療では10倍以上の価格差が生じることもありますが、長期的な耐久性や見た目の満足度を考慮して選択することをお勧めしましょう。

 

予防歯科的効果もある「セレック」による修復

セレックは、最新のデジタル技術を活用した革新的な歯科治療システムです。
従来の治療方法と異なり、口腔内スキャナーで患部を3Dデータ化し、その場で被せ物を作製できます。
歯科医院での治療時間は約1時間程度で完了するため、複数回の通院が不要になりました。

現時点での詰め物、被せ物の選択として、第一選択と言えるでしょう。

セレックによる被せ物は、セラミック素材を使用しているため、見た目が自然で違和感がありません。
また、金属アレルギーの心配もないため、安心して治療を受けられるでしょう。

予防歯科的な観点からも、セレックは優れた特徴を持っています。CAD/CAMシステムによる精密な加工と歯科医の接着技術を生かした早期修復で、細菌が入り込むすき間を最小限に抑えられます。
その結果、二次虫歯のリスクを大幅に低減できました。

セレックの治療費は1本あたり5万円から15万円程度と、保険診療と比べると高額になる点がデメリットです。

しかし、長期的な予防効果や審美性を考慮すると、十分な価値があると言えます。
治療期間の短縮による通院回数の削減も、実質的なコスト削減につながるメリットがあります。

 

歯の土台(コア)の種類

歯の被せ物を支える土台となるコアは、治療の成功を大きく左右する重要な要素です。
コアは歯の根っこの部分に埋め込まれ、詰め物や被せ物をしっかりと固定する役割を担っています。

歯の土台であるコアは、保険診療と自費診療で使用できる素材が異なります。

保険診療では主に銀合金やレジン(プラスチック)が使用され、自費診療ではファイバーコアやジルコニアコアなどの高品質な素材を選択できます。

以下で、保険診療と自費診療それぞれのコアについて詳しく解説していきます。

 

保険適用のコア

歯の土台となるコアには、健康保険が適用される種類があります。保険適用のコアで最も一般的なのは、銀歯の材料として知られる金属系の銀合金でしょう。
この素材は耐久性に優れ、1本あたり2000円程度と比較的安価な価格設定となっているのが特徴です。

歯科医院での治療費用は、保険点数に基づいて3割負担で計算されます。
コアの形状は、既製のものと個別に作製するキャストコアの2種類から選択が可能。
歯の状態や部位によって、最適な方法を歯科医師が提案してくれるはずです。ただし保険適用のコアは、見た目の美しさや強度の面で自費診療のものと比べると劣る部分もあるため、前歯など目立つ部分での使用は避けた方が無難かもしれません。

 

自費診療のコア

自費診療のコアには、金合金やチタン合金などの高品質な素材が使用されます。保険適用外の料金は1本あたり2万円から5万円程度でしょう。耐久性に優れた金合金コアは、強度が高く長期間使用できる特徴を持っています。チタン合金は金属アレルギーの心配が少なく、軽量で違和感を感じにくいメリットがあります。

歯科医院によって使用する素材や料金は異なるため、事前の確認が重要です。自費診療のコアは保険適用のものと比べて高額ですが、耐久性や見た目の美しさを重視する方におすすめしましょう。

コアの選択は、歯の状態や噛み合わせ、生活習慣などを考慮して決定することが大切。歯科医師との十分な相談を通じて、最適な素材を選びます。自費診療のコアは保険適用のものより製作に時間がかかりますが、精度の高い仕上がりが期待できるでしょう。

治療後のメンテナンスも忘れずに行いたいものです。定期的な歯科検診を受けることで、コアの状態を確認し、長期間安心して使用することができます。

 

詰め物と被せ物を長持ちさせるコツ

歯の詰め物や被せ物を長く使い続けるためには、適切なケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。
詰め物や被せ物は、毎日の咀嚼や歯ぎしりなどの負荷にさらされており、適切なケアを怠ると劣化や脱落のリスクが高まってしまいます。

たとえば、硬いものを噛んだり、歯ぎしりの習慣があったりすると、詰め物や被せ物に過度な負担がかかり、寿命を縮める原因となるでしょう。
また、歯と詰め物の境目に汚れが溜まりやすく、そこから二次虫歯が発生するケースも少なくありません。

定期的な歯科検診では、詰め物や被せ物の状態をプロの目でチェックし、問題を早期発見することができます。

以下で、詰め物と被せ物を長持ちさせるための具体的な方法を詳しく解説していきます。

 

定期的な歯科検診の重要性

定期的な歯科検診は、詰め物や被せ物のトラブルを未然に防ぐ重要な習慣です。
日本歯科医師会の調査によると、定期検診を受けている人は受けていない人と比べて、詰め物の寿命が約1.5倍長くなる傾向が見られました。
歯科医院での定期検診では、詰め物のズレや劣化、周辺部分の虫歯の有無などを専門的に確認できます。
推奨される検診間隔は3〜6ヶ月で、この間隔を守ることで詰め物の状態を適切に管理できるでしょう。

また、定期検診時には専門的なクリーニングも実施されるため、詰め物周辺の歯垢や歯石を効果的に除去することが可能になりました。
特に奥歯の詰め物周辺は自己管理が難しい部分のため、プロによるケアが欠かせません。
さらに、定期検診時には咬み合わせのチェックも行われ、詰め物への過度な負担を防ぐことができます。

定期検診を怠ると、詰め物の寿命が大幅に短くなる可能性があります。
厚生労働省の統計では、定期検診を受けていない人の約40%が5年以内に詰め物の再治療が必要になっているとのデータも。
早期発見・早期治療により、結果的に医療費の削減にもつながるのです。

 

マウスピースの活用法

マウスピースは歯の詰め物や被せ物を長持ちさせる重要なアイテムです。
就寝時の歯ぎしりや食いしばりは、詰め物の劣化や破損を引き起こす大きな原因となってしまいます。
そのため、歯科医院で作製する専用のマウスピースを活用することをお勧めします。

マウスピースには、ソフトタイプとハードタイプの2種類があり、症状や使用目的に応じて選択できます。

ソフトタイプは装着感が良く、初めての方でも使いやすい特徴を持っています。
一方ハードタイプは、より強い歯ぎしりにも対応可能です。マウスピースの費用は保険適用外となり、3,000円から30,000円程度の価格帯となりました。

毎日の使用で劣化するため、6か月から1年での交換が望ましいでしょう。
就寝時以外にも、スポーツ時のマウスガードとしても活用できるため、詰め物の保護に役立つアイテムとなっています。

 

まとめ:歯の詰め物の痛みを解消しよう!

今回は、歯の詰め物の痛みに悩まれている方に向けて、

– 詰め物が痛くなる主な原因
– 自宅でできる応急処置の方法
– 歯科医院での適切な治療法

上記についてお話してきました。
歯の詰め物の痛みは、虫歯の再発や詰め物の劣化など、さまざまな要因が絡み合って引き起こされます。
痛みを感じたら、まずは冷やす・刺激を避けるなどの応急処置を行いましょう。

これまで我慢して過ごしてきた方も多いことでしょう。
しかし、適切な治療を受ければ、痛みから解放されて快適な生活を取り戻すことができます。
早めの受診で痛みの原因を特定し、あなたに合った治療法を見つけることをお勧めします。
不安な気持ちは当然ですが、専門医に相談して一緒に解決策を見つけていきましょう。