セレックによるワンデー(1day)トリートメント

セレックの記事のアイキャッチ画像

同じセラミック治療でも、その日に歯科医院で製作して即日入れるのと、技工所で作って一週間後に入れるのでは、全く違います。

これらは、はっきり言って、全く違う治療です。

「セラミック1DAY治療」とは、セラミックを用いた治療が、即日で終わる治療方法のことを言います。

セレックは歯を大切にしたい方のための治療法!

「セラミック1DAY」とは、以下の写真の機械を用いた、セラミックを用いた治療が即日で終わる治療方法のことを言います。
即日治療にこだわる理由の一番は、接着力の向上による予防歯科的メリットです。
歯の硬さや”もち”を元の歯に最も近い形にすることができるので、予後が良くなります。

審美性の向上や来院回数が少ないのは、あくまで、副次的なメリットです。

セレック

従来のセラミック治療とは全く違います

従来のセラミックを使った治療方法は、歯を削ったあと型取りして技工所に送り、1~2週間後にできた技工物をセットするという流れでおこないます。
一方「セラミック1DAY(セレック)」は、口腔内専用のスキャナーでスキャン(型取り)して、その場でミリングする器械でセラミックを加工し、即日(1回の来院)でセットして治療を完了します。

従来の技工方法との違いを、図にまとめてみました。

セレック1day治療の流れ

上の図からわかるように、セラミック1DAYは即日で治療が終了するほか、従来の方法と比べて型取り時の患者さまの負担を軽減できるなど、さまざまなメリットがあります。

1回で終わる治療(1Day治療)のメリット

複数回の通院が必要な治療に比べ、1回で終わる治療には次のようなメリットがあります。

1.来院回数の減少
お忙しい方もむし歯が多い方も1日で治療が完了。
2.麻酔が1回で済む
麻酔の注射が苦手な人にとって、注射の負担を軽減できます。
3.仮詰めの必要がない
仮詰めの期間中の細菌汚染が少ないことから、虫歯の再発(二次カリエス)のリスクを減らせます。

続いて、セラミック1DAY(セレック)について、もう少し詳しく解説していきます。

セラミック1DAY(セレック)はこんな人にオススメ

さまざまなメリットがある「セラミック1DAY(セレック)」は、以下のような方にとってオススメの治療方法です。

  • 銀歯を自然な白い歯に変えたい方
  • 治療後の虫歯の再発リスクを減らしたい方
  • 精度の高い治療をお望みの方
  • 治療を短期間で完了したい方
  • 来院回数を最低限にしたい方
  • むし歯や歯周病のリスクが気になる方
  • 口臭が気になる方
  • 金属アレルギーが気になる方
  • 最新技術に興味をお持ちの方

上記のような方にとってオススメの理由について、次の章で詳しく解説します。

セラミックの詰め物のメリット

セラミックの詰め物で治療をする「セラミック1DAY(セレック)」ことで、主に以下のメリットがあります。

  • 【メリット1】虫歯が再発しづらい
  • 【メリット2】詰め物が長持ちする
  • 【メリット3】臭わない
  • 【メリット4】他の歯へのダメージが少ない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

【メリット1】虫歯が再発しづらい

保険でつかえる素材は虫歯が再発しやすい

  • 保険の治療 ⇒ 金属とプラスティック
  • 保険外の治療 ⇒ セラミック

保険適用の材料を使った場合は、むし歯の再発(二次カリエス)によって詰め物を作り直すケースが多いです。
そのため、詰め物の平均の使用年数はおよそ数年と短く、何度も歯科医院に通い、より大きな修復物に変える必要があります。

歯の修復材料別使用年数

歯の修復材料別使用年数

虫歯の発生後、最初に治療してからの歯の寿命は、平均して約18年という研究結果が報告されています。
繰り返し治療をするなかで、少しずつ歯がなくなるためです。
そこで重要なのが、適切な詰め物の材料を選び、修復物の精度を上げることで虫歯の再発と繰り返しの治療を防ぎ、歯を長持ちさせることです。
セレック治療は、コンピューター技術により精密な修復物を作製することを期待できます。
実際に適切な接着法で修復物を装着すると、20年間で歯の残存率が90%以上になったという報告もあります。

治療後の歯の寿命を説明した図

【メリット2】詰め物が長持ちする

長持ち度が最も高いセレック

おもな詰め物の長持ちする度合いを比べると、以下のようになります。

▼長持ち度
セレック>セラミック>金属>プラスティック

前の章でご説明したように、セラミックは金属やプラスティックの詰め物よりも長持ちする傾向があります。
さらに同じセラミックの詰め物でも、専用のセレックという機械を使って作る詰め物は、セレックを使わずに作った詰め物よりも長持ちしやすいのです。

セレックを使わない、従来の方法で作ったセラミックの詰め物の15年後の残存率は約68%です。
金属やプラスティックの結果よりはだいぶ良いですが、約3分の1のセラミックの詰め物に、破折(ひび割れ)や脱離などのトラブルが発生しているという結果が出ました。
一方、セレックによりつくられたセラミック詰めのの9年後の残存率は91%、18年後は約84%というデータがあります。

セレック残存率

このことから、「セラミック1DAY」で使用している、セレックで作られたセラミック製の詰め物は、他の詰め物よりも長持ちしやすいことがわかります。

【メリット3】臭わない

プラスティックは吸水性があるため、細菌繁殖の温床になったり、着色したりすることで、特有の臭いが発生します。
一方セラミックは細菌(プラーク)が付着しにくため、着色がなく臭いも発生しません。

▼細菌(プラーク)が付着しにくい順番
セラミック>天然歯>金属>プラスティック

また、セラミックは生体との親和性が高く、天然歯に近い審美的な素材です。
そのため、金属アレルギーの心配もなく、お口の中に入れても安心してお使いいただけます。

セラミックの歯

【メリット4】他の歯へのダメージが少ない

歯に良い材料とは割れる材料?

下の表をご覧ください。

強度(Mpa) 硬度(HV)
エナメル質 85 5,600
セラミック 154 5,600
e.max 500 5,800
ジルコニア 900 13,000

普通のセラミックとe.maxは、ジルコニアほど強度はないものの、私たちの歯(エナメル質)とほぼおなじ硬さです。
詰め物と治療していない他の歯の硬さが同じであることから、咬んだときに詰め物が他の歯に当た利続けても、私たちの歯は治療前と同じような負担を受け、同じように摩耗します。

一方、ジルコニアは強度があり、まず割れませんが、硬度がエナメル質の倍以上あリます。
あまりに固くて丈夫な詰め物だと、詰め物と当たる歯が減ってしまったり、大きな負担を受けるようになってしまいます。
つまり、長い目で見れば、やはり元の自分の歯と同じ硬さの材料でなおすのが理想的と言えるのです。

もし詰め物が割れたとしたら、それはもしかすると自分の歯に大きな負担がかかり、ダメージを受けそうなところを、なおした歯の方が割れることで回避できた可能性があるとも言えます。
それならば、逆に割れてくれてありがとうという感じにも思えますね。

さて、「セレックは割れる」と言われるときがあるのですが、これは一方で正しく、一方では正しくありません。
まず、セレックでは材料の選択肢がとても多く、割れないようにしたいならジルコニアを選択すれば良いのです。
その方が、患者さまには信頼感が増す可能性があります。
しかし、セレックを手がける歯科医師の多くは、ブリッジなどの連結が必要な場合を除いて、あまりジルコニアを選びません。
これまで説明してきたように、なおす歯だけでなくそれ以外の歯のことも考えて、できるだけ歯に良い形で入れたいからです。

万が一破損した場合も、セレックは詰め物を作るときのデータが残るため、多くのケースで1日で元通りにでき、短期間でリカバリーが可能です。
そのため、破損などのトラブルがあったとしても、型取りして技工に出すのと比べて、患者さまに迷惑をかける度合いが少なくてすみます。
割れる可能性がある材料も、セレックでは使いやすいのです。
破損のリスクが高くなったとしても、それを上回るメリットがあるから、あえて固すぎないセラミックを使っているのです。

その他のメリット

セラミックの詰め物を治療に用いると、上記以外にもさまざまなメリットがあります。

  • 型取り不要(口腔内スキャナー使用)
  • エコ意識が高まる
  • 歯形をとるときの不快感がない
  • 金属やプラスティックと比べて見た目がきれい

セラミックの詰め物のデメリット

一方で、セラミックを治療に用いるデメリットもいくつかあります。

【デメリット1】料金が高い

一般的に言うと、保険による治療がコストが安いと言われていますが、実はそれが多くの人が間違ってしまいがちな点なのです。
一時的にコストがかからないとしても、長い目で見て長持ちすることで、セレックの治療のほうがローコストになる可能性が高いからです。

結論は、あなたが何を求めているかによって違います。あなたが現在の支出を抑えたいと考えているのであれば、保険による治療で十分だと思います。
しかし、長持ちすることや長期的に費用が安いこと、むし歯が再発する可能性を低くしたいということを重視するのであれば、セレックはすばらしい選択肢です。

【デメリット2】割れる可能性がある

「セレックは割れる」と言われるときがあるとお伝えしました。
しかし、先ほどもお伝えしたとおり、長い目で見れば、やはり元の自分の歯と同じ硬さの材料でなおすのが理想的です。
そして、もし割れたとしたら、それはもしかすると自分の歯に大きな負担がかかり、ダメージを受けそうなところを、なおした歯の方が割れることで回避できた可能性があるとも言えるのです。

セラミック以外の素材を用いた治療方法について

ここまで、セラミックの詰め物のメリットやデメリットを説明してきました。
この章では、他の素材の詰め物を用いた治療方法について説明します。

金属の詰め物の問題点

金属は耐久性に優れた材料ですが、お口の中は咬む力がかかり、アイスクリームからお茶まで温度変化が大きい環境です。
熱膨張や咬合力のために金属修復物と歯の間に隙間ができ、むし歯の再発(二次カリエス)リスクが高まるのです。

歯の金属を外すと下には

歯の金属を外すと下には

金属の下の虫歯

たいてい虫歯が

※上の画像は症例ではなくイメージ画像です

また金属イオンが唾液と反応して溶け出すと、金属アレルギーの原因になるとも言われています。
その他、見た目が悪い、歯を削る量が増えるなど欠点が多いうえに、最近では金属の値段が高騰し、コストもかかってエコではないという点でも排除が望まれている材料です。
そのため、近年の歯科医療では、金属を使用しない「メタルフリー治療」を目指しています。

金属の詰め物からセレックの詰め物に変えた変化を表す画像

プラスティックの詰め物の問題点

プラスティックの詰め物は、むし歯を除去し穴を埋めた後、光を当てることでプラスティックが化学反応して固まります。
硬化反応と同時にプラスティックは収縮します。
その際に、歯とプラスティックの間に隙間ができたり、歯に亀裂が入ったり、引っ張られることで不快症状が発生することがあります。
そのため、金属同様にむし歯の再発(二次カリエス)リスクが高くなります。

レジン収縮説明図

仮詰めの問題点

セラミック1DAYでは、1日で治療が終わります。
しかし1日で治療が終わらない治療法の場合は、最終的な詰め物の前に、虫歯の穴が簡易的にふさがれた「仮詰め」という期間が発生します。
「仮詰め」の期間があると、虫歯が再発しやすくなります。

通常の治療では、歯を削った後に型取りし、その日は窩洞を仮詰めしてご帰宅となります。
仮詰めの不自由な期間が必要になりますし、細菌は12時間から52時間で象牙質の細い管の中に侵入します。
次に来院した際に仮詰めを外すと、内側には多くのプラークや汚れが付着していることになります。
つまり、前回削ったばかりの象牙質は、すでに表面がプラークによって汚染されているということです。

セラミックの修復物は、強力な接着剤でセットされますが、表面の汚れがあると接着力は大幅に落ちます。

歯の表面には無数の微細な穴(象牙細管)があいています。
その穴に接着剤が流れ込むことでしっかり固定します。

象牙細管

歯の表面の穴(象牙細管)

削ったばかりの象牙質はきれいに穴があいていますが、仮詰めの期間を経ることで穴が細菌によって汚染され、穴が塞がれてしまうのです。

削った直後に接着するのが一番接着力を発揮し、セラミックのその後の「もち」に大きく影響することになります。
それが、セレックによる1day治療と普通のセラミックの治療との結果の差につながるのです。

保険適用のプラスティックとセラミックのどちらを選ぶべき?

詰め物の素材について、セラミックとプラスティックのどちらにすべきかは、虫歯の穴の大きさによって異なります。
前の章で説明したように、プラスティックの詰め物は、虫歯の穴を埋めて固まるときに縮みます。
このとき、ふさぐ穴が大きいほど縮みやすく、歯と詰め物の間に隙間ができやすくなります。
その結果、虫歯の再発(二次カリエス)に繋がりやすくなるのです。
そのため、虫歯の穴が小さい場合はプラスティックの詰め物を、虫歯の穴が大きい場合はセラミックの詰め物で治療することをオススメしています。

たとえば、小さな虫歯の場合は、プラスティックの詰め物で十分治療できます。
やや大きめの虫歯については、セラミックによる治療が望ましいですが、プラスティックでもなんとか治療可能な場合があります。

小さめ~やや大きめの虫歯

小さめ~やや大きめの虫歯

しかしある程度大きな虫歯になると、プラスティックの収縮が大きく、詰め物と歯の間に隙間ができやすい他、噛む動作を繰り返すうちに詰め物がすり減ってしまいます。
そのため、プラスティックの詰め物ではなく、セラミックの詰め物が望ましいです。
また、隣の歯との間にできた虫歯についても、プラスティックで隙間なく埋めるのは困難なため、セラミックの詰め物による治療が適切です。

大きい虫歯

大きい虫歯

隣の歯との間にできた虫歯

隣の歯との間にできた虫歯

ただし、虫歯が大きいか小さいかについては、患者さまご自身で判断するのは困難です。
そのため当院では、状態を見ながらどの詰め物が最適かをご提案し、患者さまと相談しながら決めていきます。

当院の接着材料と手法に対するこだわり

精密に作られるセレックですが、その精密さを活かすために最も大切な技術は、歯と接着する技術です。
接着が正確に行われる事で、後々の「もち」に大きな違いが生まれます。

選んでいるのは、確実な接着ができる、歯のために最も適した接着材料です。
さらに、推奨される手順をきちんと守り、丁寧に接着を行います。

その手順は正確に行うと10ステップほどになり、複雑で手間を要しますが、当院では一切手を抜かず、すべてのステップを丁寧におこなっています。

セラミックの詰め物に接着剤を塗っている画像

当院のセラミック1DAYの料金

当院のセレック治療は5年間の保証付きです。
詳細はこちら ⇒ 保証規定

治療料金(税込み)
セラミック・インレー(小さいセラミック) 55,000円
セラミック・アンレー(少し大きいセラミック) 66,000円
セラミック・クラウン(かぶせる奥歯のセラミック) 77,000円
e.maxCAD・クラウン(かぶせる前歯のセラミック) 88,000円
ラミネートベニア 88,000円
ジルコニア 110,000円

当院のセラミック1DAYの流れ

当院では、セラミック1DAYを以下の4つのステップでご案内しています。

【ステップ1】
無料相談(オンライン相談など)

女性が医師にオンラインで相談しているイラスト
無料相談に来院。または、オンラインで相談します。

【ステップ2】
初診・検査・X-Ray (初来院)

女性が歯の治療を受けているイラスト
お口の中全体の検査をします。

【ステップ3】
セレック治療(1day治療)

虫歯の穴をセレックで作ったセラミックの詰め物に置き換えているイラスト
感染予防や接着力を考慮し、1日で完了が望ましいステップです。

【ステップ4】
歯周病のメンテナンス・むし歯の予防処置の提案

女性が医師からアドバイスを受けているイラスト

定期的なクリーニング(GBT)や3DSなど、歯周病やむし歯予防の提案をします。

セレックの会社

セレックの会社デンツプライシロナは、専門的な歯科製品および技術の世界最大メーカーで、従業員は約16,000人、世界中の40ヶ国を超える国々で事業を行い、120ヶ国以上で販売しています。

世界中で使用されているセレックは、Werner Mörmann教授とMarco Brandestini博士によって開発され、1985年に世界初の歯科用CAD/CAMとして臨床応用され35周年を迎えました。

1day治療セレック会社

【まとめ】セラミック1DAYで自分の歯を大切にしよう

セラミック1DAY治療は、即日で終わることから治療時の患者さまの負担が少なく、自分の歯を長持ちさせられる治療方法です。

「セラミック1DAY治療を受けるか迷っている」「より詳細が知りたい」という方は、ページ下部のLINE@やお電話で、お気軽に当院までお問い合わせください。