インビザラインが、他社に追いつかれる可能性はほとんどないと思います。
理由は、インビザラインの矯正治療技術のキモはディープラーニングだからです。
「ディープラーニング」は、大量の訓練データからの計算で、アウトプットの誤差を修正していく仕組みです。
訓練データの蓄積が前提なので、早くから取り組んでいることがアドバンテージとなります。
インビザラインは、治療用のトレーの作り直しや追加で費用がかかりません。
以前は費用が必要でした。しかし、ある時からチャージしないようになったのです。
その理由を考えましたが、おそらく、データの蓄積のためだと思います。
つまり、うまくいかないケースのデータや、治療経過のデータから、歯がどういう動きをするかのデータとして蓄積していき、治療装置の作成に反映させていく。プログラムを進化させていくために、データがたくさん欲しい。
しかし、計画の修正が必要なときに費用が発生すると、歯科医師も患者さんに気がねしますから、計画の修正に遅れが出たり、他の方法(一時的にワイヤーを付ける等)でのリカバリーを目指します。
そうすると、本当は一番欲しいデータが取得しにくくなると考えたのではないか。
そう、感じました。
目先の費用より、将来の発展を選んだ決定だったのです。
他のブランドの矯正装置と一番異なるのは、インビザラインは機械で自動的に製作されているということです。
製作段階では、人為的なミスが生まれる余地が無いのです。
設計段階ですら、黙ってボタンを押すだけで、自動プログラムにより設計されてきます。
それを元に、歯科医師が経験や治療意図を考慮して修正するのですが、現在ですら「修正なしでも行けるな」というケースが多くあります。
この良くできた自動設計プログラムが、ディープラーニングでさらに経験を積み続けているので、おそらく将来は、わたしども歯科医師よりミスが少ない設計をするようになるのでしょう。
将棋や囲碁のように、AIの方が歯科医師よりも正しい判断をするようになる可能性が大きい、ということです。
さて、電気自動車に関するホリエモンと西村ひろゆき氏の対談記事を読んだのですが、非常に共感できる部分がありました。
ヨーロッパでは、ガソリン自動車の販売が2040年から禁止されることが、既に決まっています。
しかし、日本では環境整備が遅れているようです。
そして自動運転。「ディープラーニング」が利用されるようです。
(ひろゆき) 新しい技術が生まれても日本だと法がなかなか変わらないので、日本人が新しいモノを作る技術やアイデアがあったとしても難しいんですよね。
(ホリエモン) だから「日本でやるより、海外やるわ」ってなるよね。
(ひろゆき) それに、自動運転の技術もそう簡単にはつくれないですよね。
ガソリンエンジンは長年培ってきたノウハウがものをいうように、自動運転のノウハウも蓄積部分がかなり重要。
つまり、早く手掛けた会社のほうが絶対的に有利なんです。事故を多く起こした会社のほうが、事故の要因と対策をいっぱい持ってるわけですから。(ホリエモン) そうなんだよ。ディープラーニングは蓄積してきたデータが多いほど正確になっていくからね。
データの蓄積が大事。
まさに、インビザラインの進歩と同じ話です。
シリコンヴァレーのアップルコンピューターのそばにある、アラインテクノロジー社。インビザラインの会社です。
1998年から20年に渡って400万人分の治療データを蓄積してきたインビザライン。
400万人分のデータを持つ、アラインテクノロジー社が、他社に追いつかれることが想像できないのは、こういうことなのです。
インビザラインの詳しい説明はこちらです
インビザラインは、取り外せる透明な矯正装置であるマウスピース矯正の中で、世界で最初に確立されたスタンダードシステムです。追加料金が発生せずに治療が可能です。