海老沢歯科医

新型コロナウイルスワクチン接種についての対応

「歯科医院の感染管理手順について(COVID-19ウィルス感染拡大による):2020年2月14日公開のブログ記事」につきましては、「当院の感染症対策など衛生面への配慮について〜新型コロナウイルス(COVID-19)対策」に大幅に追記して公開いたしました。

当院は、昨年来のCOVID-19の感染拡大の中で感染対策につとめ、従来どうりの対策に加え、さらなる追加の対策を行い、従来どおりの診療を続け、患者様にも通常通りの来院をして頂いております。
予約をゆったり目に取るようにしていますため、通常時よりかなり予約が取りにくいというような状況です。ご迷惑をおかけいたしますが、時節柄ご容赦いただきますよう、お願いいたします。

さて、やっと国内でのコロナウイルスワクチン接種が始まっています。
供給量が当初の予定より少ないことで、スケジュールが今後どうなるのかは不明ですが、現時点での厚労省の発表によると以下のような予定になっているようです。

 

接種時期 対象者
3月中旬以降 医療従事者等
4月以降 高齢者
5月以降 その他の方(基礎疾患のある方を優先)

※接種時期は、国が示すスケジュール(2月15日時点での目安)です。

引用元:新型コロナウイルスワクチンの接種についてのお知らせ

 

医療従事者等向けの優先接種については、歯科医院についても対象になっております。2月に入りましてから、歯科医師会を通じて優先接種を希望するかどうかの問い合わせがございました。

1,老人・基礎疾患を持つ方より優先されるということ
2,コロナ患者様を日常的に診察対応する職種ではないこと

この2点が引っかかり、実際にはかなり悩みましたが、優先接種を希望するという選択をいたしました。
理由につきましては、以下のとおりです。

1,疑い患者に接する可能性はあること
2,心配が広がっている中、知識がある医療従事者として、ワクチン接種にメリットが有ると考えることを示す
3,供給のしかた(超低温保存、5−6人につき1本)と接種体制を考えた場合に、優先順位とあわせて効率・無駄の最小化を重視すべきと考える
4,スタッフ全員が、時期はともかく接種を希望している
5,患者様に多少なりとも安心感を持ってもらえる可能性がある
6,医療供給体制の確保という観点から国が要望している

 

ご心配な方がワクチン接種について考えてほしいこと

ワクチンを接種すべきかどうか悩まれている方もいらっしゃるかと思います。
医療従事者として、エビデンスを理解しているものとして、考え方について多少でも参考になることを書いておきたいと思います。

 

目的は自分の健康のためか集団のためか

あくまでワクチン接種の目的は、ご自身の健康のためです。結果として日本国民全体の利益につながるとしても、考えなければいけないのは自分の健康です。
一方、コロナ感染症の特殊なのは、感染拡大によって経済が大打撃を受けており、困ってる方がたくさんいることです。ですから、その解決につながるということで、「集団のため」として接種を主張する方も一定数いるでしょう。
しかし、ご自身の接種について考えなければならないことは、あくまでご自身(とご家族)の健康のことだと思います。

 

利益とリスクを考えて高齢者・基礎疾患のある方はうつべき

ワクチンの目的を前提にした上で、最初に考えることは、自分にメリットが有るかどうか、デメリットが有るのかどうかということだと思います。
その場合に、考える必要がある最大のことは、ご自身の年齢と基礎疾患の有無です。いわゆる高齢者の方と基礎疾患のある方については、強くワクチンの接種をおすすめします。詳細は難しいデータとか出てきますので省略しますが、どう考えても、メリットのほうが大きいとしか考えられません。

次に、そのどちらにも当てはまらない方は、とりあえず早急な接種の必要はないと思いますが、ご家族や職場などで接触機会の多い方の中に、高齢者と基礎疾患のある方がいる場合は、その方々にうつしてしまう可能性を考慮しないといけません。(注:他人にうつすことに対して効果があるかどうかはわかっていませんが、予測としては効果があると考えるほうが妥当だと思います)
その場合は、わたしとしては、できる限り接種をおすすめしたいです。

 

うたない場合の具体的なリスク

副反応(副作用)のことを気にする方が多いと思います。厚労省から出されている資料をみると、今回のコロナウイルスワクチンの海外における重度な副反応(アナフィラキシー)のリスクは10万人から30万人に1人(0.0005%)程度らしいです。インフルエンザ・ワクチンはその10分の1ほどで0.00004%程度と言われています。ワクチンの中では副反応の確率は高いのかもしれません。
しかし、様々なアレルギーは何千人に1人というような割合のものがほとんどだということを考えると(食物アレルギー=5%程度、アナフィラキシー既往=0.5%程度)、ワクチン接種による重度な副反応のリスクは、それほど高いとは言えないと思います。
ただ、ワクチンの成り立ちからして当然ですが、軽度な副反応(倦怠感、刺入部の痛み、発熱など)の頻度は半数近くあり、高確率ですから、そういうのも怖いとなると仕方がないことです。

また、ワクチンというのは、具合が悪くなってからうつものではなく、健康な状態でうつものです。
ですから、非常に稀なものとはいえ、重度な副反応が起こった場合には「うたなかったらこうならなかった」となるのは確かです。ある意味センセーショナルなのです。そして、逆に何も起こらなかった場合でも、もともと具合が悪くないのですから、効果が実感しにくく、大多数の方にはありがたみがあまりないのも真実でしょう。

では、高齢者・基礎疾患がある方を除いて、具体的にワクチンをうたないデメリットとはなにかというと、多くは集団的な問題になり、個人的な問題と言うより「うたない人が多いとどうなるか」ということになると思います。
たとえば、世界的にワクチンの接種率が高くなった場合に、日本だけが遅れていると、他の国から日本人の渡航が禁止されるなどの対外的な問題になったり、感染が終息しないことで経済的な問題の解決が遅れたりということが考えられます。

 

まとめます。
高齢者・基礎疾患がある方などの、感染した場合に重症化リスクがある方には、ご自身の問題としてコロナウイルスワクチンをうつ方にメリットが大きいはずです。それ以外の方は、個別の状況によりまちまちだと思います。ご家族や職場などの状況をよくお考えになって判断されると良いと思います。ただ、客観的、科学的データをきちんと見て判断されたほうが、非科学的な余計な心配に巻き込まれないと思います。
かんたんではありますが、多少参考になれば幸いです。より詳しいことや科学的根拠を知りたい方は、聞いていただければ、お答えさせていただきます。

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